今回はこの「法改正」ブログの中の寄り道ブログです。
寄り道が多くてすみません。
先日 TVで メジロの鳴き合わせ会の取材をしていました。
取材されていた内容では ケージに入れた多数のメジロを鳴かせて
楽しむ人々の姿がありました。
これは「鳴き合わせ会」というイベントです。
メジロの飼育者が集まってそれぞれの鳴き声、鳴きかた、回数などを競う競技で、
平安時代ごろからの歴史があるようです。
日本では昔から野鳥を捕獲して飼育する文化があり、メジロのほか、ウグイス、ヤマガラ、ホオジロなどをとらえてその鳴き声や姿などを楽しんでいたそうです。
「メジロ鳴き合わせ会」では互いの鳥たちが 3分間に何回さえずるかで勝敗が決定
します。
中には700~800回さえずる鳥もいて1羽500万円程度で取引される例もあるようです。
また「メジロ鳴き合わせ会」については 歴史のある伝統的な活動だとして、
存続を求める声もあるようです。
2012年の改正時にメジロに限らず 国内に生息する野鳥の無断飼育、
野鳥の捕獲等は禁止になっています。
野鳥を無断で捕獲したり,飼養した場合1年以内の禁固刑もしくは100万円以下の罰金です。
(この部分の変更は今回はなされていません)
捕獲、飼育禁止。それなのに、なぜ?という疑問があります。
メジロの飼育は違法行為であり、不法な飼育である場合 鳥は押収され、飼い主は
刑罰を受けます。
2015年愛知で22人、2017年度大阪で 12人が違法飼育で検挙、大阪では168羽が没収
されました。
それでも違法飼育は後を絶たないといいます。
先日のTV、会場を出る人のインタビューでは「違法だと知って飼育している」
やっている理由「暇だから」という答えもありました。
メジロなどの野鳥の飼育は過去には一部認可されていましたが 2012年4月
「第11次鳥獣保護事業計画」により禁止されました。
2012年以前に飼育されていた個体については認可制とし各都道府県に届けることで
1世帯1羽に限り認可されます。(登録料と足環の装着義務)
なお、例外として「弱っていた個体の保護」などについては許可が出る場合も
あるようです。
また、輸入された亜種の飼育は認可されていることから「輸入した鳥」と偽って飼育したり
あえて輸入したメジロを野外に放ち 国産種を捕獲後、輸入鳥として届けるなど
悪質な例も報告されています。
(輸入種は国産種に比べて鳴き声が悪かったり回数が少なかったりすることから
そういう行為が実施されているようです。)
しかし 外来種を野外に話すことは国内種との間で交雑が進み国内固有種が絶滅に向かう
恐れが懸念されています。
輸入メジロはくちばしの形など、国内種との見分けが可能で押収された鳥などは
専門家により選別されていますがすでに押収されたメジロはすべて国産で
残された証明書の数が放鳥されてしまった可能性もあるといわれています。
メジロを捕獲する人は主に霞網をつかったり トリモチなどを使用するようですが
捕獲時に傷ついたり、中には死亡する鳥もあるそうです。
また メスは鳴かない、という理由で捕獲後すぐ処分する人もいるそうです。
先日 認定NPO法人TSUBASAのセミナーでも 「メジロ鳴き合わせ会」の
違法行為を紹介されていました。
今 国産のメジロはレッドリストに掲載されている希少種となっています。
種の保存、環境維持のためにも違法な飼育や身勝手な輸入鳥の遺棄などは
してはいけません。
メジロに限らず 野鳥たちはその生息環境の破壊や 違法な捕獲が原因で
種の存続機器にあるものが多くいます。
これは 全世界的な問題でもあります。
このままの状態では 近い将来この美しい生き物たちに身近で出会うことが
できなくなるかもしれません。
愛すべき素晴らしい鳥たちが安心して暮らせない世界は、人間にとっても
悲しい世界であると思います。
そんな世界にならないように 私たちに何ができるのか考えていければと
思います。
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