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執筆者の写真Iriyama Satoruko

飼い鳥に関すること・動物の法律と法改正(13)


先日のTSUBASAさんのオンラインセミナーで鳥に関する「SDGs」についてのお話が

ありました。

SDGs(持続可能な行動目標)は 国連加盟国にて採択された国際的行動指針です。

法や政令ではありませんが 抵触する面もあります。

17の行動目標がありその達成ゴールを2030年としています。


TSUBASAさんのセミナーでは 鳥に近しい目標として

「15 陸の豊かさを守ろう」についてのお話があり生態系の維持の必要性や

輸出入等の問題が提示されました。

飼い鳥になっている鳥は、野生種も多く、特にインコオウム類の野生下での危機は

前のブログでも触れたとおりです。


「15-7」野生種の保護、密猟の対策

   サイテス等指定種の輸出入監視、密猟防止対策

「15-8」外来種の侵入禁止

   在来種の保護、外来生物由来の疾病の抑制

「15-9」生態系多様性の保全

などが 主に鳥を含めた動物に関わってきています。


単純に考えるとペットとしての飼い鳥にどのようなかかわりがあるのか、

飼い主としてどのようなかかわりがあるのかとも言えますが、

「15-7」については サイテス指定種の飼養、購入などに関すること。

「15-8」「15-9」については、外来種ペットの遺棄、逸走動物の保護。疾病の管理。

などが考えられます。


多くの野生種の危機が訴えられている今、人の身勝手な飼養目的による輸入行為など

また、そのための密猟の横行等、ペットを飼養する側にも対策していく必要性が

あると考えられます。

また、在来生物の保護管理においても、飼いきれない動物の不法遺棄、

管理ミスによる逸走の防止、逸走動物の保護管理なども考えられます。


SDGsは 人間に対する指針ではありますが大きな意味で考えれば動物に対することに

おいても一部通ずるところがあると思われます。

例えば 指針の3「すべての人に健康と福祉を」という項目。

人を動物に置き換えるとかなり考えさせられる面があります。


人の福祉とともに考えたいことが動物の福祉です。

動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)動物の権利(アニマル・ライツ)いついては

人と動物の関係学、動物に関する法規などを考えるうえで避けては通れない項目ですが

動物に関する倫理が多様化しており、特に産業動物や実験動物に対することについては

まだまだ各国において「考え方」も「かかわり方」についても議論が重ねられている

状況です。


ただ、単にペットとしての愛玩動物だけに目を向けて考えた場合でも、まだまだ

「すべてに健康と福祉を」ということには至っていません。

実際 今回の法改正においてもまだまだ犬猫に対することに特化しており、

他の動物に対しての規制などは設定されていません。

ペットショップやブリーダーに対する販売方法・展示方法・繁殖規制などにおいても

犬・猫以外の動物については(未来には適応とはされているものの)規制外です。

健康面についても 動物病院において、犬・猫以外のエキゾチックアニマル系、

鳥類、爬虫類などの診療のできる医院は限られており、実際大学の獣医学部においても

犬、猫、大型産業動物、家禽などについての勉強しかできていません。

したがって 犬・猫・産業動物等以外の動物(たとえば鳥など)を診療してくださる

獣医師の先生方は それぞれの動物を診療されている機関において学習するか、

海外で専門的に学習されるかしかありません。

当然 診療施設は限られますし、所によっては診てくれる医師さえいないような

状況です。


ペット以外の産業動物などに目を向けるとさらに飼育環境や 管理方法、また

健康管理など 多くの問題がありながら まだまだ「動物=物」という

考えかたが否めない面も多くあります。

人間が暮らすうえでの社会活動としての必然性が語られる一方での

産業動物・実験動物の問題は とても難しい一面があります。

そういう私たちにしても 結局は産業動物たちの多くの犠牲の上での

生活が当たり前になっていること、そして それだからといって

即座に 環境改善に持っていけない、ある意味 そうなって今の社会活動が

変わることに対しての抵抗も否定できない事実もあり得ます。


人が生活していくうえで動物とかかわりあうことは、当たり前のことだと思います。

動物も人も植物も すべての生命体はなにか必ずかかわりあって存在しています。

どんな人でも、例えば「私は動物が嫌い」というような人でも どこかで

何かの動植物に関わって生きているはずです。

一つの生命体が生きるためにほかの多種の生物とのかかわりがあり、

中には ある1種の動物が絶滅したことでまるで関係ないかと思われていた

植物が絶滅したり、それによりべつの環境破壊が起こったりもしています。

環境を守る、ということは生物の多様性を理解し、そのひとつひとつの

かかわりなども考慮しながら慎重に対処していくことが必要なのではないでしょうか?


多くの企業がSDGsに参画し 海洋プラスチックごみの問題や温暖化対策など

環境破壊に対する活動を行っています。

私たち個人でなにかできる事は?

・・・特に動物たちや環境破壊などに関して考えるとき、

プラスチックごみの削減、商品の再利用・リサイクル、などわずかな事かも

しれません。 

はっきりと目に見える効果は少ないかもしれません。

でも一人一人が少しづつ取り組むことが小さな命の助けになれるのなら

できること、やれることはやっていく必要性があるのではないでしょうか?


今、生きている動物たちが この後も変わらず生息していけために、

また 地球の環境が生き物たちがより多く安全に幸せに暮らせる環境であるために、

それができるのか、できないのか全ては私たち人間の行動如何にかかわっているのではと

深く思います。





 





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