鳥さんの温度管理について、室内の空気を温めないといけない、と記載しました。
なぜなのか?ということについて、それは鳥さんの体の仕組みに由来します。
鳥さんの体は 羽毛に覆われています。
羽毛は重なることで保温効果を高める効果があります。
また羽毛と羽毛の間には空気の層ができるのでその事も保温効果につながります。
鳥さんは 自身の体の保温のために空気を利用している、ということです。
しかし鳥さんにはもうひとつ保温のために必要な機能が体内にあります。
それは 鳥類のみが持っている内臓器官で「気のう」といいます。
気のうは 体の前部にある前気のうと後ろ側の
後気のうにわかれ、肺に直結しています。
吸い込んだ空気は肺と後気のうに流れ
排出時は後気のうが収縮して排出します。
気のうには酸素をためる機能があり、
それによって鳥の体には常に酸素が
あることになります。
この事は 長い渡りをする鳥や
高空を飛行する際に役に立つ、と言われて
います。
体内に常に酸素を保有することは 飛ぶために軽量化、小型化の進んだ鳥類にとって
大切なことなのです。
暖かい空気を気のう内にためることも 寒い時の保温につながるとも言われていますし
逆に体温が上がりすぎた際には 気のうを通じて体温を下げる効果もあると
言われています。
(気のう内部は湿っており、体温上昇時には内部を通過させることで温度を下げる効果が
ある)
気のうに空気をためる、それに応じて体温の調整をする、鳥たちは 体内の気のう内の
空気と体表の羽毛の間にためた空気の層によって体温を調節しているわけです。
そういうわけで 鳥さんの保温については 床やケージの一部を温めるより
鳥さんのいる空間を温めるほうがよい、という結果になります。
生息地域や種類、大きさなどにより多少の誤差はありますが 一般的な飼い鳥の
飼育適温は 17℃~30℃、湿度は 40%~60%といわれています。
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