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健康な雛をお迎えしたい・・・・(5)


今回は前回ブログの続きです。

よろしくお願いいたします。


「人工育雛」の雛たちには 様々な問題があると海老沢先生のセミナーでも

うかがいました。

親からの細菌叢を受け継げないために感染症に弱かったり、またストレスの

影響も多く毛引き症などの個体も多く発生するそうです。

先生は育雛方法の違いによる毛引き行動やストレスなどの病的症状についても

研究されています。

今回はコザクラインコを対象にされていますが、明らかに「人工育雛」で育った雛より 

「共同育雛」で育った雛のほうが病的羽毛損傷行動やストレスホルモンが少ないとわかったそうです。

また、セミナー内において 親鳥による雛への毛引き行動 についても質問させて

いただきましたが やはりこの場合も 人工育雛によるストレスの影響が

見受けられるように返答いただきました。

(その親鳥は普通のペットショップから来ましたので「人工育雛」の個体でした)



共同育雛が 鳥にとって、親鳥にも雛にも優しい育て方だと思います。

また、人とっても飼い鳥にとっても安心できる育て方ではないかと思います。


では、なぜ「共同育雛」をするブリーダーさんが少ないのか、その理由も

解説いただきました。

まず「共同育雛」するためには 親鳥から人なれしたた鳥を使って繁殖する必要が

あります。

親鳥が懐いていないと人が巣箱を覗いたり、雛や卵を触るだけで育雛放棄にも

なりかねません。

そのため 自宅繁殖をする必要があり、親鳥もよく懐き、人が勝手に

巣箱を覗いたり、雛や卵を観察できる環境であることなどが必須になります。

(普通 抱卵、繁殖時の親鳥はかなり神経質になっていますので 安易に

 卵を織り出したり,雛を触ったりしただけでも 抱卵放棄や育雛放棄、

 雛や卵への攻撃行為に至る場合もあります。)

また、「共同育雛」では親鳥は雛が巣立つまでしっかり世話をします。

巣立ち後も飛び方、餌の食べ方、ほかの仲間との付き合い方など、

雛は親の行動などをみて学習します。

当然、一つのカップルから巣上げできる(販売できる)雛の個体数は少なくなりますし、

雛も巣立ち、一人餌になるまで販売ルートには乗りません。

「手乗りにしたいから差し餌をしたい」「小さな雛から飼育したい」という

ニーズには対応しないことになります。


海老沢先生は過去に「アニマルウェルフェア」についても講義されています。

「アニマルウェルフェア」とは産業動物に対して利用される動物に対しても

その権利(5つの自由)を守り、ストレスのない環境での飼育をすること。

(産業動物=人の生活圏で人のための経済行為として飼養される動物の総称・・・

 対義として愛玩動物 となっていますが、経済行為の対象となる愛玩動物も

 販売目的のブリーディングであったり販売物として流通していますので

 その一部と考えられるのか・・範囲が少し曖昧に思います。)

「アニマルウェルフェア」を考えた時、「人工育雛」のために親から雛を

取り上げたりすることは、その意義に反しているように感じます。

動物を愛することとはその幸せを願うことではないのか、それならばなお、

人の行為によって動物たちがストレスを感じないようにしてあげる事こそが

大切なのではないか、など講義を聞きながら考えました。


少しづつでも小規模でもいいから、雛にとって親鳥にとって、また飼育する

人にとってもいいやりかた、それが確立されていってほしいと思います。

どういうやり方がよいのか、差し餌の頻度やふれあいなどについても

今後、研究していくと海老沢先生はおっしゃっています。

今後の展開、方向性など期待しながら今後のセミナーなどにも参加させて

いただきたいと思います。


鳥たちは環境変化に敏感でストレスの影響も受けやすい生き物です。

子育てにおいても 親鳥が安心して子育てできる環境、安全に暮らせる環境づくりが

大切だと痛感しました。




今回の海老沢先生のセミナーで、シロハラインコの「共同育雛」をしている

ブリーダーさんが紹介されていました。

兵庫県猪名川では モモファームさんです。

シロハラインコをお迎え希望の方はモモファームさんもご検討ください。



以前のブログでも紹介させていただきましたが 当店でも セキセイインコの

「共同育雛」を行っています。(ジャンボセキセイインコも含む)

うちの場合ですが親鳥のペア成立時から鳥自身が相手を選んでいます。

鳥の場合 メスがオスを選びますのでメスの目で見て健康で繁殖力のある

元気な個体を選んでいるようです。

両親も他の仲間たちもPBFD,BFD、クラジミア等の感染経歴検査済み、

メガバク感染もない家族で暮らしていますので基本的に健康な雛が誕生します。

また 成長過程で2度の健康診断を鳥専門医で実地してからの譲渡で対応しています。

欠点としては 雛の種類を選べないこと。

このカラー、この色の子が欲しいというニーズには答えられません。

時期も雌雄も、待っていただく必要があります。

・・・もし、その条件でも問題ない、元気で社会化のできたかわいい子を

お迎えしたいという方、ぜひ ご連絡、ご予約いただけましたら幸いです。


他に神戸市灘区の「とりみカフェ」さんも「共同育雛」の雛さんを育てて

いらっしゃいます。

こちらでの雛ちゃんたちも当店で譲渡させていただきますのでよろしくお願いします。



当方、関西ですので関西地区の方しか紹介できませんが他地域でも「共同育雛」に

取り組んでおられるブリーダーさんがいらっしゃると思います。

地域でも取り組んでおられるブリーダーさんたちが紹介されて、少しづつ

この取り組みが増えていくよう願っています。









鳥たちは環境変化に敏感でストレスの影響も受けやすい生き物です。

子育てにおいても 親鳥が安心して子育てできる環境、安全に暮らせる環境づくりが

大切だと痛感しました。



(今回のブログ制作にあたり 記事の引用、紹介を海老沢先生に許可いただきました。)




5月に「雛の育て方」に関する海老沢先生のオンラインセミナーが予定されています。


関心のあるかあは是非ご視聴ください。




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