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執筆者の写真Iriyama Satoruko

ペットショップに関する考察  (1)


ここ最近いろいろな鳥さんセミナーなどに参加して、いろいろ考えさせられることことが

多くありました。


一つは 鳥さんの健康管理などに関すること。

もう一つは ペットショップのあり方に関すること。

どちらもとても重い内容ですが 両者とも非常に関心があり、大切な事だと思っています。

セミナーに参加していて ほかの参加者さんの意見も伺い、多くの方が同じように

大切に感じていることだと深く感じました。

そして 講師の方たちのお話や、発表されたアンケート、参加者の声を聞きながら

この二つの事は お互いが深く関係していることですし、今後もしっかり考えていく

必要性があることだと思っています。



日本のペットショップの始まりは江戸時代だといわれています。

ペットショップではなく「鳥獣商」といわれていました。

当時は今と異なり、洋犬や猫、輸入動物を扱う「輸入商」鳥を扱う「小鳥商」

魚類や昆虫は主に行商で扱われ「金魚売り」「虫売り」と呼ばれていました。

戦後 占領軍が飼育している犬の繁殖などを手伝ったところから「畜犬商」が産まれた

そうです。

当時の「鳥獣商(ペットショップ)」は販売のみで「畜犬商」のみがブリーディングを

していました。

戦後から1960年前ごろまでは 犬は主に番犬としての飼育が当たり前で 今のような

愛玩犬は比較的珍しい存在でした。

大型犬は一般家庭での飼育には不向きだったことや 当時団地など集合住宅で生活する人が増えたこともあり、犬や猫を飼育する家庭は少なかったのです。

(当時集合住宅でのペットの飼育にはかなり制限がありました)

それに対して 小鳥、金魚などは集合住宅での飼育も可能で、当時のペットショップは 

鳥を扱う「小鳥屋さん」と 観賞魚を扱う「金魚屋さん」が主流でした。

また 両者を扱うショップも徐々に増えていました。


1960年代後半ごろ、経済の安定化と治安が良くなったことで 番犬の飼養が

減少するとともに 血統書のある犬を飼育することがステータスとして流行し始めたことで 一般家庭での小型犬の飼育が増えてきました。

同時に猫を飼う人も増えてきました。

1970年代には「ペット関連事業」が社会的に浸透し始め、動物種を多数扱い、飼育用品や飼養フードなども総合的に扱う「総合ペットショップ」が増えていきます。


ただ、動物関係は儲かる、という意識で開業する業者も増え、動物を「命」としてではなく

「モノ」として扱う、広告の目玉にしたりする店や オークションでの販売なども

増加していきました。

今より法的な規制が少なかったこと、またマスコミなどメディアでの様々な動物の

紹介なども ペットブームの後押しになっていた時期です。

当時 欧米より日本のペットの扱いに対する意見が多く寄せられてこともあり

1973 年には「動物の保護及び管理に関する法律(以下,動物管理法)」が

制定されました。


1980年代バブル期には ゴールデンレトリーバーなどの大型犬に対する人気も再上昇し、

ペット飼育可能なマンションなども増えていきました。

ペットブームの到来といわれ、ペット産業が拡大、販売だけではなくトリミングなどの

サービスやしつけ教室など、実際には動物を販売しないペットビジネスも増えて

いきました。

また、犬や猫においても 珍しい種類を飼育したいと望む人が増え、同時に

様々な種類の動物のペット化、小型の野生動物を飼育する人も増えていきました。

1990年代には ホームセンターなどへのインショップが増え始め、ペットショップ内に

おいてのトリミングやホテル営業など様々な営業方法が増えていきました。



日本での飼い鳥の歴史は古く、室町時代などでも鳥を飼う文化があり 特に江戸時代に

なると 飼い鳥はブームになり 多くの飼鳥本が出版されるなどしていたそうです。

ただ、当時飼育されていたのは いわゆる「和鳥」日本国内に生息する野鳥でした。

人々は 野鳥を捕獲して飼い鳥として飼育していて メジロ・シジュウカラ・

ヤマガラ・コマドリなどが よく飼育されていたそうです。

特にメジロはその美しい鳴き声を競い合う「鳴き合わせ」をする人が多くいました。

なお、現在は野生動物保護管理法により 野生鳥獣類の捕獲や無断飼育は禁止されて

います。

江戸時代、長崎からオランダなどを通じて海外の鳥がペットとして入ってきました。

オウム、インコの仲間 文鳥、九官鳥、カナリアなどが入ってきたのもこのころです。


1960~70年代 まだ犬や猫の飼育数は少なく、また 団地などでの生活者が

増加したことに伴い 団地でも飼いやすいペットとして小鳥が人気でした。

当時の小鳥屋さんは 今のペットショップとは少し違った存在だったように思います。

店舗での扱いは 鳥や魚などに限られてはいましたが ショップの店長は 昔から

鳥の飼育やブリーディングに精通した人が多く、単に鳥を売るだけではなく

飼育方法の相談や 病気やけがの相談、時には治療などもしてくれる場所でした。

今でも鳥を診る獣医師は少ないですが 平成以前においては ほぼ皆無に近かったので

そういう小鳥屋さんの存在は愛鳥家さんにとっても大きかったと思います。

80年代、愛玩犬人気とともに猫を飼う人も増えていき、その一方で鳥を飼う人は下降傾向になっていきました。

小鳥人気の低迷と 和鳥の飼育禁止、また総合ペットショップでの価格競争などにより 

昔ながらの「小鳥屋さん」は徐々に姿を消していきました。

「動物愛護法」の制定により 国内の野鳥の捕獲・飼育に規制がかかったのも一因です。

もともと「小鳥屋さん」では外国の飼鳥よりも和鳥を扱うところが多かったことも

減少の要因といわれています。


1900年代 「小鳥店」などの店舗は ペットショップ全体の2割を切っていたそうです。

2000年代初頭 小鳥を鑑賞しながら軽食を食べる「ことり喫茶」ができました。

目の前で遊ぶ鳥を自由に観察したり、触れ合ったりすることで飼い鳥の可愛さを

再認識傾向になり 今では 徐々にペットとして鳥を求める人が増えてきています。


なお、近年は 哺乳類でも鳥類、爬虫類などにおいても ペットを飼う人の考え方が

変わってきていて単なる「愛玩動物」として飼育する人より 「家族・子ども」

として飼養する人が増えてきました。

同時にアニマルウェルフェアなどの思想が広まったことで 動物も人と同じ生命体

として「モノ」ではなく 「命」として扱うこと、「終生飼養」などを真剣に

考えて行動する人も増えてきました。

この度 「動物愛護法」が再更新されたことの背景にも人々の考え方の変化が

影響もあります。


法改正により ペットショップにおける動物の取り扱いについて、

(今回は犬・猫に特化してはいますが)新しい数値規制などが定められています。

まだまだ、鳥などに関する規制はほぼない状況ではあるのですが・・・・。


実は過去に この数値規制などを実施していたショペットプがあったのです。













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