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執筆者の写真Iriyama Satoruko

「鳥が人をえらぶ」ということ  (7)

「この子は先月養子に行く予定でした。でも予定日直前に食欲不振になり延期しましたが その後また脚を痛めてしまってキャンセルになりました。検診上、特に問題はなく

脚も骨折などの状態はありません。ただ未だに脚力も弱く通院中です」

「色は違うけれど、兄弟なのね。よく似ている」

おかあさんがいいあした。


この子を出したとたん ケージの中のPくんの様子が変わりました。

「出して!出して!」とアピールしています。

出してもらうとすぐ この子のケースのところに飛んできました。

Pくんは この子が気に入った様子でした。・・・というか、

なんだか待っていたような気もしました。

この子をケースから出してお嬢さんに渡しました。

するとすぐ手の中に収まってとてもリラックスした表情をしています。

お嬢さんの手の中にいる弟くんにPちゃんはもう夢中で挨拶しています。


この子はここにいることが幸せなのではないか、そんな気がしました。

でも 通院中の子、まだまだ手のかかる子です。悩みました。

その時

「この子の里親にならせてください」

お母さんが言いました。


この子はFくんという名前をもらいました。

しばらくは通院が続き、おかあさんにもお嬢さんたちにもお手数をかけましたが 

今ではすっかり元気になりました。

脚もしっかりリハビリしてもらって今ではどこが悪かったかわからないくらい

よくなっています。

Pくんとも仲良しでいつも一緒に遊んでいます。

ご家族の中ではお嬢さんが大好きで一緒に遊ぶのが大好きな様子です。

ずいぶん回り道をしましたが この子は最高の居場所を見つけたのだと

思います。


Fくんは 自分で家族を選んだのです。

またPくんも Fくんを選びました。

2人ともお互いと家族を自ら選んだのです。




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